更年期の不調と東洋医学の陰陽バランス:自然なケアで心と体を整える
更年期に入ると、体調の変化に戸惑うことも多いですよね。ホットフラッシュや寝汗、乾燥肌など、さまざまな症状が現れることがあります。これらの不調は、実は東洋医学の「陰陽バランス」の乱れが原因のケースもあります。この記事では、更年期の不調と陰陽バランスの関係について、わかりやすく解説します。
1. 更年期の不調とは?
更年期は、閉経前後の5年間を合わせた10年間のことを指します。この時期はホルモンの分泌が減少することで心身にさまざまな影響が現れます。代表的な症状には、以下のようなものがあります。
- ホットフラッシュ(のぼせ)
- 寝汗
- 乾燥肌や髪のパサつき
- イライラや不安感
- 不眠や倦怠感
これらの症状は、一般的にホルモンバランスの変化が原因と言われていますが、東洋医学では陰陽のバランスの乱れが一因と考えます。
2. 更年期の不調と陰陽バランス
東洋医学では、すべてのものが「陰」と「陽」のエネルギーで成り立っていると考えます。陰は冷たさや静けさ、内向きのエネルギーを、陽は熱さや活発さ、外向きのエネルギーを意味します。そして心身が健康であるためには、この陰陽のバランスがとても大切です。
- 陰は「冷」「静」「内」
- 陽は「熱」「動」「外」
しかし身体の陰陽バランスが崩れると、様々な不調が現れます。
そして更年期に起こる体の変化は、この陰陽バランスの乱れが原因の一つと考えられています。具体的には、以下のような状態です。
●陰虚(いんきょ):体内の「陰」が足りない
更年期の女性によく見られる症状の一つに、ホットフラッシュ(のぼせ)があります。これは、体内の「陰」が不足して、相対的に陽が強まることで、熱くなりやすい(のぼせやすい)、イライラしやすい、よく眠れないといった不調が起きやすくなっている状態です。

●陽虚(ようきょ):体内の「陽」が足りない
一方で、陽虚とは、体内の「陽」つまり「温める力」が足りない状態です。更年期に感じる倦怠感や冷え性は、この陽虚によるものです。また、この状態の場合、体の中でのエネルギーが不足することで、無気力のような状態を感じることもあります。

3. 東洋医学のアプローチ:陰陽バランスを整える方法
東洋医学では、陰陽バランスを整えることが健康回復の鍵とされています。更年期の不調を改善するためには、以下のような方法が有効です。
⚪︎鍼灸・ディエンチャン
鍼灸やディエンチャンは陰陽バランスを整えるのに非常に有効な方法です。それだけでなく、気や血を補ったり、巡りを良くすることもできるので、更年期における心身の不調改善を期待できます。
⚪︎アロマセラピー
アロマセラピーの精油も陰陽に分類することができるため、身体の陽が足りていない(=陽虚)場合にはローズマリーやオレンジといった陽の精油を用いたり、逆に陰が足りていない(=陰虚)場合にはローズやラベンダーなどの陰に属する精油を用いることで、陰陽バランスを整えていくことができます。
⚪︎食事療法
食べ物の選び方でも陰陽バランスを整えることができます。例えば、温かい食べ物や飲み物は陽を補い、冷たい食べ物や生野菜は陰を補います。その時の自分の体質に合う食事をすることで陰陽バランスを整えることができるでしょう。
4. 日常生活でできる陰陽バランスの整え方
春・夏は陽の気が高まる時期なので、目標に向けて積極的に活動をして、秋・冬は身体を動かしすぎず静かに過ごしたり、
また1日の中では、朝の時間帯に外で深呼吸をして陽の気をたくさん取り込み、夜は静かにゆったり自分の時間を持ってリラックスするよう心がけたりするなどして、日常生活でも陰陽バランスを意識すると良いでしょう。
5. まとめ:更年期の不調を乗り越えるために
更年期による不調は、ホルモンバランスの変化に伴って起こるものですが、東洋医学では陰陽バランスの乱れとしても捉えられます。もしバランスが崩れて身体の不調が起きている場合には鍼灸やディエンチャン、アロマセラピーなどを活用してバランスを整えることで、更年期をより快適に過ごしていくことができるでしょう。