寝つけない・夜中に目が覚める…更年期不眠を東洋医学でスッキリ解決!

40代後半から50代にかけて多くの女性が感じる「眠れない」「夜中に目が覚める」といった不眠の悩み。これは更年期特有のホルモンバランスの変化が影響していますが、東洋医学では、主に「肝(かん)」と「腎(じん)」「心(しん)」のバランスの乱れが深く関係していると考えられています。

この記事では、東洋医学の視点から更年期に起こる不眠の原因とその対策について、「肝の乱れ」「心腎不交(しんじんふこう)」という2つのキーワードを軸にわかりやすく解説します。

更年期の不眠、東洋医学ではどう考える?

更年期とは、女性ホルモンの分泌が急激に減少することで、心身にさまざまな不調が現れる時期です。西洋医学では、エストロゲンの低下が原因とされますが、東洋医学では、主に「肝」「心」「腎」のバランスが崩れることで、睡眠障害が起こると捉えます。

中でも、特に注目したいのが「肝の乱れ」と「心腎不交」という2つの状態。これらは東洋医学でよく見られる更年期の不眠タイプです。

東洋医学の五行説では、五つの臓器すべてのバランスが整っている状態の時が心身ともに健康であると考えます。それなので、五つのうちのどこかが強まっていたり、弱まっていたりしたら、そこを整えてあげることがポイントになります。

1. 肝の乱れによる不眠|イライラ・怒りっぽさもサイン

「肝」とは何か?

東洋医学でいう「肝」は、単なる臓器としての肝臓ではなく、「気(き)」の巡りを調整し、情緒の安定にも関わる存在と考えます。

ストレスが溜まっていたり、イライラする日々を送っていると、

「肝」の働きが乱れて気の巡りが滞り

夜、布団に入ってもなかなか寝付けない、早朝に目が覚めてしまう・・

といったことに悩まされるようになってしまいます。

安眠のポイントの一つに「精神の安定」が挙げられます。イライラやストレスが溜まっていたら、それをできるだけ発散させられるようにしていきましょう

【肝の乱れのサイン】

  • 怒りっぽい、イライラする
  • 目がさえる、寝つきが悪い
  • 肩こり、頭痛、目の疲れ
  • PMS、重い月経痛 など
現代人に多いお悩みの一つである「首肩こり」。東洋医学では、その原因の一つに「肝の乱れ」が考えられます

【対策】

▶ ツボ押しで肝の気を整える

太衝(たいしょう):足の甲にあるツボで、気の巡りをスムーズにする働きがあります。

足の親指と人差し指の間を指で撫で上げたときに、指が止まるところの陥凹部にあります。
 

▶ アロマでリラックス

  • ラベンダーやベルガモット、カモミールなど、気の巡りを促す精油がおすすめ。
    夜のリラックスタイムに、ティッシュやハンカチに滴下したり、ディフューザーで香らせると精神が落ち着き、安眠が期待できるでしょう。

  • アロマスプレーでリラックス
    心と身体に、温もりと安らぎをもたらせてくれる、夜のためのアロマスプレーもありますなかなか眠れないときや、就寝前のリラックスタイムに空間にシュシュっとスプレーをすると、香りの広がりとともに心がホッと和むことでしょう。

「Night Tea Time」 夜のためのアロマスプレー
ホッと深呼吸する時間を与えて、だんだんと深い眠りへと導いてくれることでしょう。じんわり温かくて、心が落ち着いていく香りです

筆者もほぼ毎晩こちらのスプレーを就寝前に使っています。香りを感じていると、だんだん眠りにつくまでの時間が短くなったように感じます。


▶ その他

夜眠る前に、自分の好きなことをやったり、ゆったり過ごすことのできる時間を持つことがオススメです。自分の時間を持つことで、だんだんと心が落ち着き、安眠へと繋がるでしょう。

筆者は、夜に部屋の窓から夜空を眺めることが好きです^^月の位置や形を日々観察したり、夜の空気を肌で感じたり・・。綺麗な夜空に癒されます⭐︎

2. 心腎不交(しんじんふこう)による不眠|「寝ても熟睡できない」タイプ

「心腎不交」とは?

東洋医学では通常、心と腎がバランスよく連携することで、精神が安定し、深く眠ることができると考えます。
しかし更年期になると、だんだん「腎」が弱まり、この心と腎の連携がうまくいかなくなる状態が起こりやすくなり(=この状態を「心腎不交」と呼びます)、その結果、不眠・のぼせ・むくみといった不調があらわれると考えます。

【心腎不交のサイン】

  • 眠りが浅く、夜中に何度も目が覚める
  • 寝汗をかく
  • 動悸や不安感がある
  • 火照りやすい など
更年期に起こりやすいホットフラッシュ・不眠・むくみなどは、五臓のうちの「腎」の弱まりが原因として考えられます。

【対策】

▶ 腎陰を補う食材を取り入れる

 → 黒豆、黒ごま、山芋、クコの実、納豆など。

腎陰を補う食の例。腎を補ったり、潤いを与える作用があります。

▶ アロマでケア

 ローズ、ゼラニウム、イランイランなどの精油は、腎陰を補ったり、眠りを導く作用が期待できるので、このタイプの方のケアに適しているでしょう。香りを感じたり、ブレンドオイルを作成してマッサージをしたり・・、心地良い香りに包まれながらセルフケアすることで、精神の落ち着きももたらせてくれることでしょう。

▶ ツボ押し
  湧泉・太渓:どちらも足にあるツボで、ほてりを鎮めたり、精神を落ち着かせる作用が期待できます。心地よいと感じる程度でツボ押しすると良いでしょう

東洋医学の視点を取り入れて、更年期の不眠をやさしくケア

更年期の不眠は、「年齢のせい」とあきらめるのではなく、自分の体質や状態を見つめ直すチャンスでもあります。
東洋医学では、一人ひとりの体質を見極めて、全体のバランスを整えることが大切とされており、不眠にもその原因に合った対策をとることで改善が期待できます。

今回紹介した「肝の乱れ」「心腎不交」という2つのタイプは、更年期世代に特に多い不眠の原因です。自分に合う方法を取り入れて、心と体をやさしく整えていきましょう。

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